「位相変調」とは、信号の位相を変化させることによって情報を伝達する変調方式の一つです。これは、搬送波の位相を一定のルールに従って変化させることで、デジタルデータやアナログデータを送信する方法です。位相の変化は、通常、定義された特定の位相シフト(例えば0度、180度など)を用いて行われ、これによりデータを符号化します。
この方式は、特にノイズに強い特性を持つため、無線通信において広く利用されています。位相変調は、デジタル通信におけるQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や8PSKなど、複数の位相を使用した変調方式にも展開されます。これにより、単位帯域幅あたりのデータ伝送量を増加させることが可能です。
位相変調の利点には、信号の耐障害性が高いこと、比較的簡単に実装できること、また多重化技術と組み合わせることで効率的な通信が可能になる点が挙げられます。一方で、受信側では正確な位相の検出が必要であり、これが困難な場合には伝送品質が低下することもあります。