「自由空間伝送損失」とは、電波が自由空間を伝播する際に、距離の増加に伴って信号が弱くなる現象を表します。これは、電波のエネルギーが空間に拡散し、受信側での信号強度が低下することによって生じます。
この損失は、主に以下の要因によって決まります:
1. 距離:伝送損失は距離に依存し、距離が2倍になるごとに信号強度は約6デシベル(dB)減少します。これは、電波が球面状に広がるため、受信する面積が距離の二乗に比例して増加するからです。
2. 周波数:周波数が高いほど、自由空間伝送損失は大きくなる傾向があります。これは、高周波の信号が低周波の信号よりも空間での散逸が大きいためです。
自由空間伝送損失は、無線通信システムの設計や信号の伝播特性を理解する上で重要な要素であり、特に通信距離やアンテナの配置を考慮する際に欠かせない概念です。これを正しく理解することで、より効率的な無線通信の実現が可能になります。