「反転増幅回路」とは、主にオペアンプ(演算増幅器)を用いた回路の一種で、入力信号を反転させながら増幅する機能を持っています。この回路では、入力信号がオペアンプの反転端子(-端子)に接続され、非反転端子(+端子)は通常接地されます。
基本的な構成は、オペアンプとフィードバック抵抗、入力抵抗から成り立っています。入力信号が入力抵抗を通じてオペアンプに加わると、オペアンプはその信号を受け取り、出力端子から反転した信号を生成します。この出力信号は、フィードバック抵抗を通じて再び入力端子に戻され、回路全体の増幅率を決定します。
反転増幅回路の特徴としては、入力信号が反転して出力されるため、位相が180度ずれる点が挙げられます。また、増幅率はフィードバック抵抗の値と入力抵抗の値の比によって決まります。例えば、フィードバック抵抗が10kΩ、入力抵抗が1kΩの場合、増幅率は-10となります。
このような回路は、音響機器やセンサー信号の処理、デジタル回路とのインターフェースなど、さまざまな分野で広く利用されています。反転増幅回路は構造がシンプルで、安定性が高いことから、多くの電子機器において基本的な要素として重要な役割を果たしています。