ネイティブVLANとは、スイッチのトランクポートでタグ付けされていないパケットが属する標準のVLAN(仮想LAN)を指します。通常、異なるVLAN間の通信はタグ情報により区別されますが、ネイティブVLANはタグが付加されていないパケットを受け入れるためのデフォルトのVLANとして設定されます。この役割により、トランクポートを介した通信で特定のVLANに属さないパケットも正しく処理されます。
ネイティブVLANが利用される主な理由は、VLAN間の識別や冗長化構成の簡素化にあります。例えば、トランクポートを使う環境で、管理用の通信や一部のレガシー機器がタグ付け無しのフレームを送受信するケースで役立ちます。また、スイッチ間のリンクが断線した場合に備えて冗長化構成を組む際にも、ネイティブVLANを適切に設定することで正常な通信経路を維持しやすくなります。
仕組みとしては、トランクリンクを通過する各イーサネットフレームには通常VLANタグが付けられますが、ネイティブVLANに属するフレームのみタグが付かずに転送されます。この特徴により、タグのないトラフィックはネイティブVLANとしてスイッチ内部で認識され、誤ったVLAN割り当てや通信の混乱を防ぐことができます。ただし、セキュリティ面ではネイティブVLANを悪用したVLANハッピング攻撃などのリスクもあるため適切な設定が重要です。
