「Sパラメータ」は、主に高周波回路やアンテナなどの分野で使用される重要な指標です。これは、散逸的なネットワークの特性を表すための行列であり、特に反射と伝送の特性を示します。
Sパラメータは、通常、S11、S12、S21、S22の4つの主要な値から構成されます。これらは次のように定義されます:
– S11: 入力ポートからの反射係数で、入力信号がポート1から出て行かずに戻ってくる割合を示します。
– S12: ポート1からポート2への伝送係数で、入力信号がポート1からポート2にどれだけ伝送されるかを示します。
– S21: ポート2からポート1への伝送係数で、ポート2からポート1への信号の伝送を示します。
– S22: ポート2からの反射係数で、ポート2に入った信号が反射される割合を示します。
これらのパラメータは、一般的に周波数に依存しており、特定の周波数での特性を測定することが重要です。高周波回路の設計や解析を行う際、Sパラメータは非常に役立つ情報を提供し、インピーダンス整合や信号の損失、反射などの評価に使用されます。
Sパラメータは、主にネットワークアナライザーを使用して測定され、測定結果は通常、デシベル(dB)で表示されます。これにより、回路の性能を定量的に評価することが可能になります。